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割れたレコードの話

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    このところ、割れたりひびが入ってしまったレコードの修復・編集を日課としています。

    僕は本来レコードを割らない人間なのですが、縦に収納していたら大事な大事なピカ盤のレコードに大きなひび(クラック)が入ってしまいました。縦収納とはなんと愚かな・・・・
    12インチ盤の約半分なので片面約二分ほどが再生不能。
    しかも運悪く両面で1曲なので、約四分ほどが全然かからない。
    あきらめきれず、すーっと大事に寝かせておいたのですが、遂に修復に着手したのです。

    音溝にかからないところに接着剤を少なめにつけて圧着するように固定。
    これでなんとか再生できるものの、そのスクラッチノイズは絶大。
    コレをPROTOOLSのプラグインで除去と思っていたのですが、
    はっきりした大きなノイズであるので比較的簡単なもののどうしても手作業には精度が劣り音質が犠牲になるのが我慢ならない。

    あーあ、これは手作業か・・・と、ウンザリしながらも、毎日少しずつ波形とにらめっこ。
    78rpmなので一分間に当然78回プラスアルファの除去ポイントです。
    掛ける事の約四分なので約320カ所※以上ってところでしょうか。
    ※追記:ファイル数を調べたところ、460箇所でした(泣)

    これが何処から何処までの範囲を除去するかで聴こえ方が違ってくるので、
    波形の流れが自然にきこえるベストポイントを探しながら作業すること約3日間。
    昨日、ようやくRebirthしました!!
    んー、われながら麗しい・・・(涙)。

    しかし、これをキッカケに割れたレコードたちが復活の刻を待ちわびながら、
    続々と行列を作りはじめました。
    ああ、レコードの下僕である私。

    おかげで肩と首をやられ現在湿布臭い僕なのでした。
    ってことで、今日はレコード磨きをお休み中です。

    レコードつれづれ

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      最近、必要があって沢山SPレコードを聴いている。

      今日はロシアのピアニストを重点的に聴いた。
      ロシアのピアニストは古い人のものほど私好みだ。

      なかでもGoldenweiserは本当に凄いピアニストだと思う。
      スクリャービンやラフマニノフ、イグムノフんどとほぼ同世代。
      ショパンのマズルカやワルツ、メンデルスゾーンのスケルツォ、ベートーヴェンの月光ソナタなど、ため息が出るほど艶やかなタッチで旋律はこの上なく歌い、リズムも躍動的でありつつも統制が完全に取れている。細部の磨きあげはショパン弾きの中でも超一流だろう。フレーズ間のつなぎ方の見事さと云ったらない。この一部分だけでもゴリデンヴィゼルのずば抜けたショパン音楽への理解の深さに脱帽せざるを得ない。ぜひショパンのノクターンやバラードなども録音しておいて欲しかった。

      ソフロニツキーのSP盤はほとんどデンオンでCD化されてはいるものの、原盤で聴くと随分印象が違う。スタジオ録音のものは音も近くて鮮明。なかでもショパンの「告別のワルツ」と64-3あたりのレコードは上手く再生してやると、相当の名演奏だと気がつくようなレコード。64-3はルビンシュタインのステレオ盤のテンポが理想的だが、ほとんどのピアニストはこのワルツを早く弾きすぎて優美な魅力を引き出せていない場合が多い。ソフロニツキーとてテンポは速めなのが残念ではあるが、注意深く聴くとソフロニツキーが速めのテンポを採用した気持ちも分からなくはない。ギリギリのところで許せる範囲だと思いなおした。裏面の「告別」の方はまぎれもなく名演で、こういう簡単な小品を詩的に表現できるショパン弾きはそういないだろう。

      RIGA盤で聴いたYakov Flierのマズルカもなかなかの名演だった。ゴリデン先生から比べるとずいぶんと現代的で淡白であるものの、後年のステレオ全集とは違ってもっと若々しいのが良い。しかし、フリエールはショパンよりもリストの方がより相性が良いと思う。12インチ盤両面に録音された「ハンガリア狂詩曲第12番」あたりは名盤だったように思う。ちょっと引っ張りだしてこようかな・・・。

      Aleksander Kamenskyのチャイコフスキーの小品もなかなかかわいくて良かった。KamenskyはメロディアLPに一枚モノラル録音があったが、これもなかなか味わい深い。しかし、さすがにロシア人ピアニストたちはチャイコを良く録音している。オボーリン、フェドロワ、イグムノフ、ゴリデンヴェイゼル、エメリャノーワ、ミフノスキーなどなど。バラキレフやグリンカなどと共に、ここら辺りはロシアのピアニストで聴くのが一番だろう。チャイコのフーガなんてオボーリンぐらいしかSP録音していないのではないだろうか。Isaac Miknovskyのチャイコ「舞踏会のざわめきの中で(At the Ball)」は自身の編曲と云う事も相俟って大切なレコード。この曲はいつ聴いてもメランコリックなムードが良いなぁ。ミフノスキーは12インチ盤にショパン「バルカローレ」も録音しているが、あたたかなタッチでほっこり弾かれており、得難い魅力のあるレコードとなっている。

      さて、次はフランスピアニストを聴こうかな。
      今日もまたレコード磨きだ。


      パテ縦振動盤#1

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        先日、ある方から加藤玄生著「蓄音機の時代」をいただきました。予想以上に面白い本でとても楽しんで読ませて頂いたのですが、その中に「パテ縦振動レコード」についての章がありました。当然「パテ縦振動レコード」はパテの蓄音機でかけるのが一番早いのですが、カートリッジ再生でのアーカイブ化で統一しているので、なんとか上手く電気再生したいところ。そこが腕の見せ所(?)だったりして燃えるワケですが…なかなか難しい!




        Eisler02さてハード面はそんなこんなですが、僕の興味はどんなピアニストが「パテ縦振動」で聴けるか。要はここです。今回取り上げたのは、Paul Eisler (1875-1951) (レーベル面にはHn. Eislerの文字が…?)。ウィーン生まれで、指揮をアントン・ブルックナーに習ったそうです。おもに有名な演奏家の伴奏者としてツアーに周ったそうですが、ピアノ独奏レコードOkehレーベルの縦振動と横振動にも数枚あります(縦振動のOkeh盤はショパンの小品が2曲入っていたのですが、海外からの郵送時にあえなくまっぷたつ)。このレコードはパテ縦のなかでもエッチング・レーベルといわれる古い年代のもので、紙シールのかわりに溝が掘ってありその中に絵の具のペーストの様な物が埋め込んであります。しかも、内周から外周へ向かって再生する「センター・スタート」といわれる方式で、これはカートリッジ再生がとても難しい強敵の一人です(笑)




        Eisler02収録曲は「月光ソナタ〜第一楽章」と、ワーグナー=ブラッサン「ワルキューレ〜炎の音楽」で、興味深いのはどちらの面も演奏前にタイトルと演奏者の紹介するアナウンスがあります。古いレコードに多いこの「前口上付レコード」は、まるで白黒映画を観ているようなノスタルジック・ムードで、個人的には大歓迎!ピアノの音はマンドリンのようなか細い音です。演奏は取り立てて言うほどではありませんが、ワーグナーの方はグリュンフェルトに近い感じで面白い演奏でした。Okeh盤にはグリュンフェルトの小品を弾いたレコードもあるので、同郷のEislerはグリュンフェルトにピアノを習ったことがあるのかもしれません。「月光」の方はかなり省略しており、テンポが以上に早くミスタッチ多発の雑な演奏ですが、そこが面白いので…まったく、手に負えません。






        美しきレコードたち

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          超マイナーピアニストたちによる雑音だらけの骨董レコードをご紹介したいと思います。よく「知る人の少ない…」と評されるレコードやピアニストがいますが、それほどマイナーでは無い場合がほとんどです。しかし、ここで紹介するレコードは、マニアの中のマニアでも、「知る人の少ない」本当のマニア・アイテムです(笑)全部アコースティック録音の酷い雑音だらけのレコードですが、いつかこういうのを集めて復刻したいものです。




          LembergerまずはLemberger。このピアニストは、どう調べてもなんの手がかりも無しですが、このFavoriteレーベルのグラフィックはとても美しく、もちろんシュトラウスのパラフレーズの演奏と相俟って、存在感のある大切なレコードの一枚。裏面もシュトラウスです。シュトラウスのパラフレーズは19世紀的ピアニストたちが好んで取り上げたレパートリーで、音楽的な深さは感じられないものの純粋にピアニスティックな部分を愉しむにはもってこい。CDでシュトラウス・パラフレーズのアンソロジーも数種類ありますが、まだまだ未復刻が沢山あります。




          Sutherland次はSutherlandによるショパンの黒鍵。演奏前に即興の前置きをしているかなり古いタイプの演奏。裏面のエチュード25-1もかなり個性的な演奏で、とても気になるピアニストの一人。Sutherlandの経歴も分からなかったのですが、あるルートを辿ってご親族(お孫さん)を名乗る方からコンタクトを頂きました。しかし、結局要領を得ずじまいで謎だけが深まりました。このほかにも二枚ばかり10インチ盤がありますが、どれも恐ろしく回転ムラと雑音のなかからかろうじてピアノの音が聞こえてくる感じです。こういったレコードは雑音と知名度の低さ、そして希少性の三重苦で、復刻される可能性は少ないと思います。知る人の少ない宝物の一つ。




          Chernetzkayaついでにもう一枚。これは帝政ロシア時代のシレーナ盤。ピアノ独奏のロシアでのアコースティック録音は非常に珍しいのですが、このChernetzkayaはまだ数枚あります。演奏はアリャビエフ=リスト。ベックマン=シチェルビナや、ヴァルマレーテなども弾いていますが、とても良い曲・演奏で更にレーベルも美しくとても気に入っています。ロシア・ピアニズムの源流に位置する重要なピアニストです。



          今日もレコードを磨く・・・慎重に、慎重に・・・

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          オープニング・スピーチ

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            「 あの世レコード Ltd. 」オープン

            ご訪問、ありがとうございます。管理人の夏目です。

            最近、HTML & CSS を触るのが億劫になったこともあり、78rpm.net の更新がマイペースになり過ぎがちでした。肩の力を抜いて、大好きなレコードや、マスタリングのこと、音楽のことなど、思い立ったときに書き留めるため、このBLOGをオープンしました。かなりデータとしては曖昧ですので、その部分は目をつぶって頂けるようまず第一にお願いしておきます。


            「 あの世レコードLtd. 」とは…

            ふと気が付くと私のレコード・コレクションの大半は、この世を去ってしまった演奏家によるものです。ピアノ演奏史上に不滅の足跡を残した偉大なピアニストたちのレコードもそれなりにありますが、それ以上に忘れられてしまった古き佳き時代のピアニストたちのレコードに、私はより多くの愛着を感じています。もともと浮世離れ著しい性質ですが、ちかごろでは春になると更に日常から朦朧としていることに、ある種の悦びを覚えています。

            誰も見向きもしないような二束三文のレコードを二十数年集めてつづけてみると、陽の当たらないレコードたちを紹介する使命感のようなヘンテコな気分が、いつの間にか芽生えていました。同好の士のヒマ潰しになれば本望です。物好きな方、お気軽にメッセージをお寄せ下さい。

            2008年・春 夏目久生


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