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新鮮な雑音を聴こう!

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    あるクラシック初心者の方から、ピアノ復刻CDの第一集と第二集で「どうしても片方ばかりを聴いてしまう」という話を聞いた。どちらに収められている演奏も歴史的な名演奏なのだから問題は演奏内容ではないようだ。話を聞きすすめていくと、どうやらその音質の差に一つの大きな要因があることがわかった。

    と、いうのも片方はSP盤を復刻したLPや更にそのコピーLPからの復刻CDであるので、音の芯がへたってヨレヨレなのだ。もう一方はSP原盤からの復刻で、打鍵ニュアンスやペダリングなどのディテールが聴いて取れる。ようするに新鮮さがちがうのだ。実は私も全く同じ感想を持っていたので、おお、この人はとても耳がいいなぁと感心してしまった。

    さて、当然ピアノ復刻のレコードであればピアノの音をメインに聴くでしょう。
    しかし、同時に僕らはサーフィス・ノイズも聴いている。
    実はノイズの音質にも、演奏全体の印象に大きな差が生じる要因をはらんでいる。

    復刻ものの場合、ノイズを聴けばどれだけ原盤の音質が手を加えられたかという事がハッキリと分かる。
    音をいじってノイズ除去をしすぎれば、どうしてもピアノの音も犠牲になってしまう(こもったような、ぼんやりとした輪郭のピアノの音になり、巨匠の名演奏のはずが冴えない演奏に聴こえる事になる)。
    またピアノの音にとどまらず、ノイズもまた余計にストレスのあるノイズに変容してしまう。

    古い録音をより心地よく聴く為には、実はノイズの大小(SN比)よりもノイズ自体の音質の方が本当は重要なのだ。
    伸びやかでさらさらとした新鮮なノイズは楽器の音と分離しやすく、ピアノの音への集中力を高く保持することが出来れば意外なほどに音楽の邪魔にならない聴き方が可能だ。

    面白い小説を夢中になって読んでいるとき、生活雑音は遮断され一切耳に入らなかったりする。それと同じく、ピアノの音に意識を強くフォーカスすれば、ノイズを完全にフィルタリングする事が出来る。人間の能力は凄い。これは原音を損なわずに歴史的録音を愉しむ最高のノイズリダクションだ。

    まぁ面倒な話はおいといて、とにかくどうせなら音楽も雑音も新鮮な音で聴こう!そうすれば伝説のピアニストたちによる演奏が、思いのほか生き生きとよみがえるはずなのだから。


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